催眠に関する記事は移転しました

長年催眠再考察というテーマでこのブログに投稿してきましたが、他のサイトにアップしたものと重複したものが幾つかあったので、2013/10/29づけで今までの催眠に関する記事は下記のサイトにまとめました。大変申し訳ないですが「新しい催眠の理論と催眠療法」の方を何卒よろしくお願いします。

催眠の本質と新しい催眠療法

催眠や催眠療法に関してはその他にも
フェイスブック催眠心理研究会
Google+にコミュニティ ヒプノセラピー研究会
などがありますの良かったら一度寄ってみてください。
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# by osaonoda | 2013-10-29 05:26

催眠療法、自律訓練法、フォーカシング

ただ催眠状態に入っただけでとても気持ちよかったスッキリした、と言う人がかなりいる。催眠状態を体験するだけでも治療効果があるといえる。催眠誘導者のリードに任せて、自分を解放しやすくなるので、気分も爽快になるというわけである。

他人にやってもらうのでなくて自分で自分を良い感じにリラックスさせる方法としては、自己暗示法や自律訓練法がある。しかし自分で自分をリラックスに導くのは至難の業である。自己暗示や自律訓練法は自我意識を保ち、そこから自分の心身をリラックスに持って行こうとする心の操作作業である。ところがリラックスするにはその自我意識自体が薄まっていかなくてはならないのだから矛盾しているのである。

他者催眠はと自己催眠や自律訓練法の違いはマッサージを人にやってもらうのと自分で自分にするのでは気持ちよさが雲泥の差があるのと同じことである。

良い感じ(リラックス状態など)になるには自己暗示や自律訓練法よりもフォーカシングの方が容易である。フォーカシングは自分の内面や身体を自我意識でコントロールしようとはしない。自分の内面を適度な距離感をもって、見守り受け止めていくところから心がホッと楽になってくる。リラックスさせようとしない方が逆説的にリラックスできるわけである。

これはなぜかというと、フォーカシングの自分を見守ろうとしているあり方が「自分をリラックスさせよう、コントロールしよう」と頑張るあり方より自我意識の働きが弱いからである。 またフォーカシングの「見守る」という受身的なあり方がより自分の心身と繋がりやすいが、反対に自律訓練法のやり方は自分の心身に対して対立しやすいのである。その側面からからもフォーカシングの方に軍配が上がる。

詳しくは述べないが心理治技法としてはフォーカシングの方がより洗練されているし効果的でもある。けれどもフォーカシングにしても自分で自分に行う分だけやはり自我意識は働いてしまうので、全てを委ねて我を忘れられる他者催眠までに自己解放は深くならないのである。



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# by osaonoda | 2012-02-25 11:06 | 心身一如

電子本「あがり症克服のコツ」

このブログの「あがり症」に関するコラムや私の営む心理療法室(横浜心身健康センター)のホームページであがり症について今まで述べてきたものを下地に、新たに電子本『あがり症克服の』として書き下ろしみました。

あがり症や対人恐怖症で悩んでいる方との個別の心理療法から見えてきた、あがり症の本質を基本にしたノウハウ本です。読めば人前に出るための心構えがシッカリとできあがります。また、あがり症克服するにはどこを突破口にすればよいかなどもよくわかってきます。

電子本『あがり症克服のコツ』 横浜心身健康センター 野田長生
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# by osaonoda | 2011-11-20 15:20 | あがり症

あがり症克服のための催眠療法 その7 個別の心理面接の実際

すでに述べてきたことですが、『あがり症克服』のための解決方法を、大別すれば①心理分析で心の葛藤を解決することを目的とする方法と②心と身体が一体になれるようにする方法のどちらかに当てはまります。

今回「あがり症克服のための催眠療法 その6」までに、個別の心理面接で行っている、あがり症の心理分析的な治療技法の側面を詳しく検討してきました。そしてその中で、あがり症の治療に限らず心理療法全般において、本当に良くなっていくには催眠療法だけでは充分とはいえず、カウンセリングなどのような洞察や気づきを促進するような心理技法を必ず併用する必要があるといいました。

横浜心身健康センター心理療法室で私が、あがり症の克服のために個別の心理面接を行う際には、主にカウンセリングとフォーカシングと催眠療法を用いています。いつでもこの通りとは限りませんが、実際にはまずカウンセリングやフォーカシングで心理分析的に心の葛藤を解決する工夫をします。そして催眠療法ではとにかく心身一如(心と身体が一体)になれるようにするトレーニングを行ったりしていくのです。

そのトレーニング方法には幾つかのやり方がありますが、あがり症克服のために催眠療法が一番役立つのは、催眠状態の特徴である、我を忘れて感情移入できる体験を利用する手法です。私のリードでそのクライアントのできる最大限の催眠状態に導きます。するとそこまで集中して入り込めた体験だけでも、人前においても自分のやるべき事により強く集中できるコツが掴めたりするのです。

もちろんただ催眠に深く入ってもらえばよいのではなくて、催眠に入っている本人自身がその感情移入状態を自分で扱えるようになるために工夫された導きや暗示が私の催眠リードの仕方に含まれてはいます。

上記のような催眠療法がなぜ有効であるかを一般的な観点から説明してみましょう。

私たちは大人になる課程で、理性でよく考え自分自身をコントロールしていくことが良い結果を生むと教えられてきましたが、そのことによって「常に意識で自分をリードしていくものである」と思いこみ過ぎてしまっています。

それで「我を忘れて無心に遊び楽しむ」ことが出来なくなってしまっているだけでなく、そのようなあり方を否定してしまっている場合さえあります。これでは自分の潜在意識とケンカ状態にあるといえるわけですから、潜在能力が発揮できるわけがないのです。

この理性の「枠」や「上手くコントロールしたい」と願う自我意識の働きなどをいったん置いて、創造性の基本となる「我を忘れて無心に遊び楽しむ」ことを取り戻せるのにとても有効なのが私の提唱したい催眠療法なのです。



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# by osaonoda | 2011-08-21 21:57 | あがり症

あがり症克服のための催眠療法 その6 心理治療者とクライアントのズレ

前の章で「自分に向き合う」というような内省的な心理技法は通常の催眠療法だけではなかなか困難であると述べました。考えてみると内省というものはクライアントでなくても誰もがそれを行っているはずです。でもそれは一人で行うと堂々巡りに至ったりして、なかなかうまくはいかないものですよね。

クライアントは症状が苦しくて心理療法に助けを求めます。あがり症の場合はあがらないようになること。つまりあがっている部分を催眠でなくしてもらうことを期待しています。なかには催眠療法で過去の嫌なことやその記憶を消すことができませんか。と催眠療法に魔術的な効果を期待する方もいるのです。

催眠療法に期待する人は特にその傾向が強いのかもしれませんが、心理療法を受けに来談するにあたって、自分の「あり方(性格)」を変えねばならないと意識しているクライアントは非常に希なのです。

けれども先にも述べたように現代の心理療法は、そのほとんどがクライアント自身の、症状を受け止めかねているまさにその辺りの「あり方・考え方」を変えようと狙っているのです。心理療法が一時的でなくて本当に成功するには、例えば「あがってしまう自分を嫌ったり責めたりしていたクライアントが、あがってしまっている自分を愛おしく感じるようになる」というような価値観の逆転が必要だからです。

その意味で心理療法家はクライアントと出会う前にはクライアントの思いと逆のことを考えているといえるでしょう。カウンセラーとクライアントがはじめて出会うときにはこの点で大きなズレがあるのです。

ズバッと「それはあなたの考えの方がおかしいんですよ。症状というのは身体からのメッセージであって、それがあなたに今までのあり方から変わってほしいと訴えているのです。もっと自分を変えていきましょう」とカウンセラーはクライアントに言う方が正直かもしれませんね。

でも、このように初めからズバッと言われてそれを受け止めて変えていけるのは、かなり力のある人でしょう。問題が大変になればなるほどアドバイスされたくらいで、そう簡単には変われないのです。そこに登場するカウンセリングの共感的理解という手法はカウンセラーの側から、クライアントとのズレたこの溝を何とか縮めようとするものであるともいえるでしょう。

穿った見方をすれば「あなたが自身が変わりなさい」とクライアントに率直にいうと反発をくらうので、クライアントの身になって共に歩むことでクライアント自身が変わって行くことを待つという遠回しな手法ともいえそうですね。

でもより深い意味で、カウンセラーの共感的理解や見守り寄り添う、同行二人のような態度はとても大切なものなのです。そのような見守り寄り添う力のあるカウンセラーに支えられた場で、クライアントはホッと安らいでエネルギーを蓄えられたり、伸び伸び自由に振る舞って新しいやり方を試したりしながら力を養い成長していけるのです。



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# by osaonoda | 2011-08-20 01:01 | あがり症

あがり症克服のための催眠療法 その5 心理分析的な治療法 3

心理療法的には過去のトラウマを癒すことはもちろん大切ですが、今現在ある、あがり症になりやすくなっているその当人の「あり方(性格)」が変化しなければ本当によくはなりません。

ところが催眠というのは催眠療法家の暗示にリードされてそれに成りきっていく行為ですから、自分を観察する意識は弱まってしまいます。おまけにこの「あり方(性格)」の部分を飛び越えて無意識の世界にアプローチしていくのが催眠なのです。催眠状態が深くなるほどに自我意識も弱まっていきますからよりいっそうそうなってしまいます。ということは催眠療法ではこの部分にアプローチすることがとても困難なのです。

ですから下手をすると催眠から醒めて自分(自我)が戻ってくれば、その人のあり方(性格)も戻ってきてまたあがってしまうことになるわけです。

カウンセリングの方では「自分に向き合う」などと言いますが、カウンセラーが傍に居ることで、クライアント自身が自分を観察する(見守る)意識を保って、この癖にまでなってしまった自分のあり方を見いだしたり再検討することができるようになります。

このような点から心理療法としては、催眠療法だけでは充分とはいえず、カウンセリングなどのような洞察や気づきを促進するような心理技法を必ず併用する必要があります。

一般化した人の心の働きとして考えてみると、催眠状態にあるような、感情移入し没頭する能力と、カウンセリング時のように、そこから少し離れて全体を見通したりするような観察する(見守る)能力の二つがあることが創造性を発揮するための秘訣でもあるのです。この相反する両方の能力をより強く持てば持つほどに創造性を最大限発揮できるわけです。



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# by osaonoda | 2011-08-03 01:30 | あがり症

あがり症克服のための催眠療法 その4 心理分析的な治療法 2

催眠療法では退行催眠といって催眠状態に入って過去にさかのぼり(時には前世まで)原因を捜す手法が一般にも知られています。もちろんあがり症の場合でも個別の心理面接で、子ども時代のトラウマに行き当たることは良くあります。そこで時に催眠を用いて過去にさかのぼってトラウマを探って見るという心理分析的な催眠療法も行ったりするわけです。

けれどその出来事は、実はそれを思い出せば済むというものではありません。それはあくまでも個人をあがり症になりやすくなってしまうような本人の「あり方(性格)」に方向付けた、その一こまの出来事であるに過ぎないのです。そしてあがり症や対人恐怖症を本当に克服するためには、このあがりやすくなってしまったその人のあり方(性格)の部分が変わる必要があるのです。

その意味で過去のトラウマ、原因はたった一つとは限らず、芋ずる式のように大きいものから小さいものまでの幾つもが連なりながらあがり症、対人恐怖症にならざるを得なかった個人のあり方(性格)へと収斂しているのです。

個別の心理面接で心理分析的な治療となる場合、はこの芋ずる式を上から下へ、下から上へと辿っていくことになります。

例えばカウンセリング場面ではクライアントさんの話を受け継いでカウンセラーが「そうなんですか、それはまた随分男らしい考えですねぇ、」などと言うと、クライアントさんは「ええ実は子どもの頃父親に鍛えられまして、、」と子ども時代に父親が厳しく育てたために男らしく強く生きようとして来たことを思い出します。

そして今の自分に戻って、男らしく強く生きねばと他人に自分の弱さを出せない性格になってしまっていたことに気づいたりするわけです。



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# by osaonoda | 2011-08-01 20:03 | あがり症