電子本「あがり症克服のコツ」

このブログの「あがり症」に関するコラムや私の営む心理療法室(横浜心身健康センター)のホームページであがり症について今まで述べてきたものを下地に、新たに電子本『あがり症克服の』として書き下ろしみました。

あがり症や対人恐怖症で悩んでいる方との個別の心理療法から見えてきた、あがり症の本質を基本にしたノウハウ本です。読めば人前に出るための心構えがシッカリとできあがります。また、あがり症克服するにはどこを突破口にすればよいかなどもよくわかってきます。

電子本『あがり症克服のコツ』 横浜心身健康センター 野田長生

# by osaonoda | 2011-11-20 15:20 | あがり症 | Trackback | Comments(0)

あがり症克服のための催眠療法 その8 個別の心理面接の事例

当相談室に来談された楽器の演奏を教えているある女性は、極度のあがり症のがあって人前で演奏をすることが恐怖となっていました。緊張のあまり途中で演奏が止まってしまうのでは、との強い予期不安に襲われるのです。でも自分が教えている生徒達の演奏発表会では自分も演奏せねばなりません。そしてその何年ぶりかの発表会が近づいてきてしまい切羽詰まって来談されました。

発表会が差し迫っていたために心理面接は2回しか行えませんでしたが、その短い面接回数の中で彼女は自分自身と向き合われて自己探求をされ、幾つかの気づきがありました。彼女は、その楽器がただ好きという以上に、彼女が自分らしく生きていくうえでその楽器との触れ合いがとても重要な意味があったことを見出したのです。そして催眠を用いたイメージトレーニングの中で、彼女にとってその楽器がただの楽器以上に大切なものであることや、その楽器と触れ合い、一体になって演奏・音楽しているイメージを暗示しながら、架空の演奏トレーニングを行ったのでした。

彼女から発表会の後に連絡をいただいたのですが、実は発表会では時間が押し迫ったために彼女の演奏は実際にはカットされて、先へのお預けとなったのでした。それで正直ホッともしたようです。でも、当日彼女は自分の演奏する恐怖や逃げの気持ちより、立ち向かおうとする勇気が強くなっていました。そして何よりも素敵だったのは発表会の前日に自宅で演奏練習をしていた時に、「心からこの楽器が好きだ」と思えて涙が止まらなくなり、発表会でもこの思いを持って演奏できそうに思えたということです。

彼女は「発表会のリハーサル時に生徒さん達の前で一度演奏をしたので、その点では少し前へ進めたかなと感じています」といってましたが、私には少しどころか何歩も前進したように見えました。また、それよりもなによりも、その楽器が心から好きで、それと触れ合って音楽できることを確認したことがとても幸せなことなのです。彼女は今回、切羽詰まって苦しむ中からそれを手に入れたのです。

たぶん彼女は(私の憶測ではありますが)今後、人前で演奏するからどうのこうの、、などということを超えた時点で、その楽器を彼女が演奏する時には、何時でもどこでも大切なひと時を過ごせることでしょう。

この方のように「あがる、あがらないに、こだわる必要がなくなる」といえるような境地に入っていくこと。これがなにより一番のあがり症克服のコツなのです。



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# by osaonoda | 2011-11-03 19:04 | あがり症 | Trackback | Comments(0)

あがり症克服のための催眠療法 その7 個別の心理面接の実際

すでに述べてきたことですが、『あがり症克服』のための解決方法を、大別すれば①心理分析で心の葛藤を解決することを目的とする方法と②心と身体が一体になれるようにする方法のどちらかに当てはまります。

今回「あがり症克服のための催眠療法 その6」までに、個別の心理面接で行っている、あがり症の心理分析的な治療技法の側面を詳しく検討してきました。そしてその中で、あがり症の治療に限らず心理療法全般において、本当に良くなっていくには催眠療法だけでは充分とはいえず、カウンセリングなどのような洞察や気づきを促進するような心理技法を必ず併用する必要があるといいました。

横浜心身健康センター心理療法室で私が、あがり症の克服のために個別の心理面接を行う際には、主にカウンセリングとフォーカシングと催眠療法を用いています。いつでもこの通りとは限りませんが、実際にはまずカウンセリングやフォーカシングで心理分析的に心の葛藤を解決する工夫をします。そして催眠療法ではとにかく心身一如(心と身体が一体)になれるようにするトレーニングを行ったりしていくのです。

そのトレーニング方法には幾つかのやり方がありますが、あがり症克服のために催眠療法が一番役立つのは、催眠状態の特徴である、我を忘れて感情移入できる体験を利用する手法です。私のリードでそのクライアントのできる最大限の催眠状態に導きます。するとそこまで集中して入り込めた体験だけでも、人前においても自分のやるべき事により強く集中できるコツが掴めたりするのです。

もちろんただ催眠に深く入ってもらえばよいのではなくて、催眠に入っている本人自身がその感情移入状態を自分で扱えるようになるために工夫された導きや暗示が私の催眠リードの仕方に含まれてはいます。

上記のような催眠療法がなぜ有効であるかを一般的な観点から説明してみましょう。

私たちは大人になる課程で、理性でよく考え自分自身をコントロールしていくことが良い結果を生むと教えられてきましたが、そのことによって「常に意識で自分をリードしていくものである」と思いこみ過ぎてしまっています。

それで「我を忘れて無心に遊び楽しむ」ことが出来なくなってしまっているだけでなく、そのようなあり方を否定してしまっている場合さえあります。これでは自分の潜在意識とケンカ状態にあるといえるわけですから、潜在能力が発揮できるわけがないのです。

この理性の「枠」や「上手くコントロールしたい」と願う自我意識の働きなどをいったん置いて、創造性の基本となる「我を忘れて無心に遊び楽しむ」ことを取り戻せるのにとても有効なのが私の提唱したい催眠療法なのです。



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# by osaonoda | 2011-08-21 21:57 | あがり症 | Trackback | Comments(0)

あがり症克服のための催眠療法 その6 心理治療者とクライアントのズレ

前の章で「自分に向き合う」というような内省的な心理技法は通常の催眠療法だけではなかなか困難であると述べました。考えてみると内省というものはクライアントでなくても誰もがそれを行っているはずです。でもそれは一人で行うと堂々巡りに至ったりして、なかなかうまくはいかないものですよね。

クライアントは症状が苦しくて心理療法に助けを求めます。あがり症の場合はあがらないようになること。つまりあがっている部分を催眠でなくしてもらうことを期待しています。なかには催眠療法で過去の嫌なことやその記憶を消すことができませんか。と催眠療法に魔術的な効果を期待する方もいるのです。

催眠療法に期待する人は特にその傾向が強いのかもしれませんが、心理療法を受けに来談するにあたって、自分の「あり方(性格)」を変えねばならないと意識しているクライアントは非常に希なのです。

けれども先にも述べたように現代の心理療法は、そのほとんどがクライアント自身の、症状を受け止めかねているまさにその辺りの「あり方・考え方」を変えようと狙っているのです。心理療法が一時的でなくて本当に成功するには、例えば「あがってしまう自分を嫌ったり責めたりしていたクライアントが、あがってしまっている自分を愛おしく感じるようになる」というような価値観の逆転が必要だからです。

その意味で心理療法家はクライアントと出会う前にはクライアントの思いと逆のことを考えているといえるでしょう。カウンセラーとクライアントがはじめて出会うときにはこの点で大きなズレがあるのです。

ズバッと「それはあなたの考えの方がおかしいんですよ。症状というのは身体からのメッセージであって、それがあなたに今までのあり方から変わってほしいと訴えているのです。もっと自分を変えていきましょう」とカウンセラーはクライアントに言う方が正直かもしれませんね。

でも、このように初めからズバッと言われてそれを受け止めて変えていけるのは、かなり力のある人でしょう。問題が大変になればなるほどアドバイスされたくらいで、そう簡単には変われないのです。そこに登場するカウンセリングの共感的理解という手法はカウンセラーの側から、クライアントとのズレたこの溝を何とか縮めようとするものであるともいえるでしょう。

穿った見方をすれば「あなたが自身が変わりなさい」とクライアントに率直にいうと反発をくらうので、クライアントの身になって共に歩むことでクライアント自身が変わって行くことを待つという遠回しな手法ともいえそうですね。

でもより深い意味で、カウンセラーの共感的理解や見守り寄り添う、同行二人のような態度はとても大切なものなのです。そのような見守り寄り添う力のあるカウンセラーに支えられた場で、クライアントはホッと安らいでエネルギーを蓄えられたり、伸び伸び自由に振る舞って新しいやり方を試したりしながら力を養い成長していけるのです。



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# by osaonoda | 2011-08-20 01:01 | あがり症 | Trackback | Comments(0)

あがり症克服のための催眠療法 その5 心理分析的な治療法 3

心理療法的には過去のトラウマを癒すことはもちろん大切ですが、今現在ある、あがり症になりやすくなっているその当人の「あり方(性格)」が変化しなければ本当によくはなりません。

ところが催眠というのは催眠療法家の暗示にリードされてそれに成りきっていく行為ですから、自分を観察する意識は弱まってしまいます。おまけにこの「あり方(性格)」の部分を飛び越えて無意識の世界にアプローチしていくのが催眠なのです。催眠状態が深くなるほどに自我意識も弱まっていきますからよりいっそうそうなってしまいます。ということは催眠療法ではこの部分にアプローチすることがとても困難なのです。

ですから下手をすると催眠から醒めて自分(自我)が戻ってくれば、その人のあり方(性格)も戻ってきてまたあがってしまうことになるわけです。

カウンセリングの方では「自分に向き合う」などと言いますが、カウンセラーが傍に居ることで、クライアント自身が自分を観察する(見守る)意識を保って、この癖にまでなってしまった自分のあり方を見いだしたり再検討することができるようになります。

このような点から心理療法としては、催眠療法だけでは充分とはいえず、カウンセリングなどのような洞察や気づきを促進するような心理技法を必ず併用する必要があります。

一般化した人の心の働きとして考えてみると、催眠状態にあるような、感情移入し没頭する能力と、カウンセリング時のように、そこから少し離れて全体を見通したりするような観察する(見守る)能力の二つがあることが創造性を発揮するための秘訣でもあるのです。この相反する両方の能力をより強く持てば持つほどに創造性を最大限発揮できるわけです。



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# by osaonoda | 2011-08-03 01:30 | あがり症 | Trackback | Comments(2)

あがり症克服のための催眠療法 その4 心理分析的な治療法 2

催眠療法では退行催眠といって催眠状態に入って過去にさかのぼり(時には前世まで)原因を捜す手法が一般にも知られています。もちろんあがり症の場合でも個別の心理面接で、子ども時代のトラウマに行き当たることは良くあります。そこで時に催眠を用いて過去にさかのぼってトラウマを探って見るという心理分析的な催眠療法も行ったりするわけです。

けれどその出来事は、実はそれを思い出せば済むというものではありません。それはあくまでも個人をあがり症になりやすくなってしまうような本人の「あり方(性格)」に方向付けた、その一こまの出来事であるに過ぎないのです。そしてあがり症や対人恐怖症を本当に克服するためには、このあがりやすくなってしまったその人のあり方(性格)の部分が変わる必要があるのです。

その意味で過去のトラウマ、原因はたった一つとは限らず、芋ずる式のように大きいものから小さいものまでの幾つもが連なりながらあがり症、対人恐怖症にならざるを得なかった個人のあり方(性格)へと収斂しているのです。

個別の心理面接で心理分析的な治療となる場合、はこの芋ずる式を上から下へ、下から上へと辿っていくことになります。

例えばカウンセリング場面ではクライアントさんの話を受け継いでカウンセラーが「そうなんですか、それはまた随分男らしい考えですねぇ、」などと言うと、クライアントさんは「ええ実は子どもの頃父親に鍛えられまして、、」と子ども時代に父親が厳しく育てたために男らしく強く生きようとして来たことを思い出します。

そして今の自分に戻って、男らしく強く生きねばと他人に自分の弱さを出せない性格になってしまっていたことに気づいたりするわけです。



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# by osaonoda | 2011-08-01 20:03 | あがり症 | Trackback | Comments(0)

フォーカシング同好会を開設しました!

フォーカシングの自主グループ勉強会を開催します。

フォーカシングはとてもシンプルですがホントに役立つ心理技法です。私はもっとフォーカシングを会得したくて今阿瀬賀先生にフォーカシングセッションをスカイプライブで定期的に体験中です。他に仲間がほしくていろいろ勉強会を捜してみましたが、ネット上では講義形式のものばかりで、自主グループは見つかりませんでした。

ないなら自分で作ってしまおうと、このフォーカシング同好会を立ち上げました。

フォーカシングの創始者ジェンドリンはChangesという自主的なグループ活動を進めていました。お互いにリスナーとして貢献し合うフォーカシングの束縛のない自主グループはフォーカシング自体の自由で民主的なあり方にとてもマッチしているように思います。

参加資格はフォーカシングを知っている方ならどなたでもOKです。

・ 次回:2012年1月22日(第4日曜日)15時~18時

・ 会場使用料・お茶お菓子代 : ¥1,000.

・ 場所 : 横浜心身健康センター伊勢佐木相談室内

・ 管理人 横浜心身健康センター 野田 長生

# by osaonoda | 2011-07-24 11:27 | フォーカシングについて | Trackback | Comments(0)

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